2012年1月17日
とうとうヨガを始めてしまったか〜 と言われる日々を過ごしていた僕は大好きな友人たちに見送られ、関空からインドへと向かった。
アイフォーンの写真を振り返る限り午前9時ごろだそうだ。
うる覚えな記憶では確かムンバイ経由 バンガロール行きの飛行機。
真夜中のムンバイ上空の景色や着陸した時の景色、特に空気感は何んとも言えないものがあった。
トランジットのムンバイ空港でどれくらい順番待ちをしていたかわからないサモサを口にした。
何だか美味しく感じた。
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数時間後、早朝のバンガロール空港についた僕は目的地のマイソールを目指す。
空港からはバスでバンガロール駅まで行き、そこから電車でマイソール駅までという感じ。
あっけないほどスムーズにバスも見つかり、だだっ広い景色を見ながら "タイやん" とぼそっと口にした。もちろん日本語で。
異国に来ると言葉が通じない難点はあるけど、通じないからボソッと言ったことも誰も気づかれない気楽さがある。
その暑さに耐えきれなくなり、ほぼほぼ貸切状態のバスの中で着替えを済ます。
バンガロール駅に着いてからもスムーズにマイソール行きの電車を発見。
一番安易けれど特等な席で風を浴びながら移りゆくインド独特の色鮮やかな景色や香り、そして声や駅から聞こえてくるアナウンスにより、タイではないことを確信した。
ここはインドだ。
マイソール駅に到着後、オートリキシャのドライバーと軽く交渉の末、ゴクラムにあるシャラ KPJAYI を目指す。 (途中マットを置き去りにしながら。。。)
何のあてもなかったが、そこに行けばアシュタンガヨーガという共通言語を用いる誰かしらから宿の情報が見つかると思った。
するとシャラの前にはタリック先生 (数年前までマイソール東京主宰指導されていた先生) がいてとても安心した。
日本ではほぼ宅連だった僕にとって日本での先生はタリック先生だ。
そこで聞いた情報と日本で聞いていた情報によると、シヴァという人物が家の情報やバイクの情報を知っているらしい。 しかもシャラの目の前の家に彼は住んでいるそうだ。
タリック先生に挨拶をし、急いでシヴァの家を訪ね、家やバイクのことをきく。
すると、今ゴクラムには空いている部屋はないらしい。
レジストは明日、練習開始は明後日。
なんとかして家を決めたかった僕はしつこく聞いた。
すると彼の仲間が来てくれて、一軒の家を紹介してくれるとのこと。
彼の名はロケーシュ
紹介してもらった家には数名が住んでいて、シェアハウス的な感じだ。
僕はその中の一人と部屋 (確かドアもない部屋のようなスペース) をシェアすることになった。 移動で疲れていたので本当は個室が良かったけれど、そんなことは言ってられない状況。
深い眠りについた。
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翌朝シェア人のレトロな目覚まし音で飛び起きた僕はとりあえずゴクラムへ向かう。
家からシャラまでは徒歩1時間の距離。
まだバイクもなく、リキシャに乗る気分でもなかった僕は位置関係を知りたかったので歩くことにした。
この日はレジストの日。
レジストとはここで練習する生徒さんは必ず行う登録のような感じ。
そこで初めてシャラート先生と会い、練習時間や期間、名前を記してもらったカードを発行してもらうのだ。
YAMAGUCHI KEIGO という名前を見て、シャラート先生が何か話した。
どうやらゴヴィンダ先生(数年前まで東京や福岡で指導されていた、世界中でも数名しかいないサーティファイド資格を持つ先生) のことを話していたらしく、後から知ったのはゴヴィンダ先生も YAMAGUCHI らしいのだ。
とても緊張した。
この日はシャラの近所の屋台でドーサを食べ、家に帰り翌日から始まる憧れの場所での練習に備えた。
1/20 (金)
今後記憶がうすれてきたとしてもこの日のことは忘れないだろう。
早朝のローカルバスに揺られシャラを目指す。
バス降り場からシャラまで歩き、6時過ぎにシャラに到着すると既に大勢の練習生たちが待っていた。
シャラからはシャラート先生のカウントが響いている。2組目のレッドクラスの最中だ。
金曜日はフルプライマリーレッドクラスの日で、①4:30 ~ ②6:00 ~ ③7:30 ~
の3回開催される。 基本的に初めての練習生は遅い組。 シャラート先生との関係性が深まるに連れて早い時間帯になるのだ。
当然僕は7:30スタート
シャラート先生のカウントを聞きながら高ぶる気持ちを呼吸で落ち着かせ待っていた僕はあることに気がついた。
テーピングを忘れた。。。
この時僕は手首に痛みがあり、テーピングがないと不安な状態だった。
インドでの練習のために事前にたっぷりのテーピングとロキソニン湿布を用意したのになんてことだ。。。
家に取りに帰れる状況ではない。
僕はこの状況を受け入れ、
この人生の中でたった1度しかないこの場所での "初"練習を全力で味わおうと意を決した。
シャラート先生の ” GO HOME TAKE REST " の声とともに2組目の練習生と入れ替わり3組目練習生が流れ込む。
僕は3列目の一番左側、祭壇の前にマットスペースを確保できた。
マットの上に静かに座る練習生、寝転んだり、話している練習生たち。
シャラート先生の "サマスティティヒ!" の声で、散らばっていた空気が一つになった。
つづく